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強蘇生散の 医師の処方解説(漢方体験談)

新陳代謝機能の衰退により四肢や腰部が冷え、疲労倦怠感が著しく尿量減少して下痢(泄瀉)し易く動悸やめまいを伴うもの。胃腸虚弱症・慢性腸カタル・慢性腎炎

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強蘇生散

医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【真武湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈小陰病期の感冒性下痢〉

治例図

67歳、女性。

3日前にくしゃみと鼻水があり、市販の感冒薬を服用したところ、一時好転した。しかし昨夕より再び咽痛と下痢が出現したために来院した。来院時の検温では37.4℃であったが、本人は熱感を訴えず、むしろ背すじが寒いという。顔面はわずかに紅潮している。全身倦怠感がつよく、食欲も低下している。脈は沈、細、弱。腹力は軟弱で胃部振水音を認め、グル音が大進している。下痢は消化便で、泥状便、回数は昨夕2回、本日は明け方に1回、来院前に1回。下痢に伴って肛門の灼熱感やしぶり腹はない。

そこで真武湯を投与した。帰宅後、本方を服用し就床したところ、体温が徐々に上がり、30分程で寒気が去り、気分が良くなって寝入った。2時間ほどして目が覚めたところ、少しく汗ばんでおり、身体の倦怠感も去り、下痢も治まり、翌朝には通常便となり、諸病状は消失した。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:感冒性下痢

2〈過敏性大腸症候群〉

治例図

15歳男子。

2ヶ月前より下痢がつづき、いろいろと医師の手当てを受けたが、一時はよくなっても、2~3日するとすぐ下痢となる。大便は水様のこともあり、粘液のまじることもある。ときどき腹がゴロゴロと鳴る。

食欲はある。熱はない。足が冷えてのぼせる。脈は沈細弱、口渇はない。腹痛は訴えない。膀上で動悸が亢進している。ひどくやせている。

真武湯を与える。これで下痢は止まる傾向をたどりながらも、一進一退をつづけ、完全に止まらなかったが、昭和15年の1月14日より、5月18日までの投薬によって全治し、体重は8キロ増し、すこぶる元気となった。

弁証論治 脾腎陽虚証  

現代病名:過敏性大腸症候群

3〈不調の原因、胃下垂を漢方薬で治療〉

治例図

大学生のAさん(18歳)は、子どものころから胃腸が弱く、常に手足が冷たく、よく下痢をして学校も休みがちでした。

下痢になったときだけ、市販の薬を服用していましたが、胃腸の不快感は解消せず、おなかは張ったままです。

心配した母親に連れられて病院に行くと、かなり重い胃下垂と診断され、真武湯を処方されました。服用を始めて半月ほど経つと、強い冷えが取れ、食欲も出てきました。1ヵ月を過ぎるころからつらい症状もほとんど消え、学校を休むこともなくなりました。

現代病名:胃下垂

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

4〈人付き合いが楽しくなって人生観も変わった〉

治例図

47歳の女性、Mさんは、専業主婦です。

月経が止まって数ヵ月が過ぎていました。自覚症状としては、めまいがする、夜眠れない、食欲がない、やる気が起こらないなどがありました。2ヵ月後にはピアノのリサイタルが控えており「こんな状態ではうまく演奏ができない」と頭を悩ませていたのです。

そこで、近所の婦人科病院を訪れて相談したところ、めまいが主訴ということから、真武湯と当帰芍薬散が処方されました。

飲み始めて1ヵ月が過ぎたころから、体が徐々に温まってきて、夜ぐっすり眠れるようになりました。食欲も回復し、体も動くようになったそうです。ピアノの練習にも精が出るようになり、無事リサイタル公演も済ませました。今までイライラしていた気持ちがうそのようで、人付き合いが楽しくなり、「友人がこれまでよりも優しくなった」といって喜んでいたそうです。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:更年期障害

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

5〈数年来の耳鳴りが異なった漢方薬の併用で治った〉

治例図

45歳のS子さんは、セミが鳴くような耳鳴りに4年間にわたって悩まされていました。
耳鼻科に通院していましたが、症状が一向によくならないので、漢方薬を扱う病院を訪れました。
体カがなく手足が冷えているS子さんには、真武湯と当帰芍薬散が処方されました。朝に真武湯、昼に当帰芍薬散を飲むようにすると、3ヵ月で耳鳴りの音が小さくなり、1年を過ぎたころには全く気にならなくなりました。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:耳鳴り

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

6〈数年来の耳鳴りが異なった漢方薬の併用で治った〉

治例図

また、W代さん(67歳)は3年前から両耳の耳鳴りに悩まされていました。

W代さんの耳鳴りは、左右で音が違う上に音がかなり大きく、日常生活に支障を来たすほどでした。W代さんには、朝に真武湯、昼に柴胡桂枝湯、夜には釣藤散が処方されました。

これを服用するようになって4ヵ月後には、音が気にならなくなっていました。さらに6ヵ月後には、日常生活に全く支障のない程度にまで軽減されたのです。

現在は予防のために、同じ処方を飲み続けています。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:耳鳴り

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

7〈真武湯で長年の冷えを解消〉

治例図

40歳の主婦であるYさんはかなり冷えが強く、立ちくらみやめまいを感じる、肩こりや頭痛がする、体がだるくて何もやる気が起きない、という症状に長年悩まされていました。

最大血圧が95~96㎜Hgと低かったため、こうした症状の原因は低血圧であると診断されました。めまいと冷えの改善を目標に真武湯を処方してもらうと、1ヵ月ほどで不快な症状が少しずつ改善され、1年後には体重も増加して、血圧も110㎜Hg前後まで上がるようになりました。

3年経った今では、外に出掛ける気力のなかったYさんが、清掃会社でアルバイトを始めるまでに元気を取り戻しています。

弁証論治 脾腎陽虚証  

現代病名:低血圧

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

8〈漢方による体質改善で腋臭が解消〉

治例図

Kさん(50歳・女性〕は、漢方を処方する産婦人科で乳がんの術後検査を受けたときに腋臭であることが分かりました。

もともと汗をかきやすい方でしたが、わきが臭いという自党がなかったKさんは、診断結果を聞いてとても驚きました。

しかし、Kさんは医師から術後の体調管理はもちろん、腋臭の解消にも漢方薬が有効であると聞き、漢方での腋臭治療も併行して行うことにしました。

虚弱体質で冷え症のKさんに処方されたのは、各種婦人科系疾患によく用いられる桂枝挟苓丸加薏苡仁と、体を温め、体力をつけるとともに水はけをよくする真武湯でした。

これを飲み続けたところ、月日がたつごとにKさんの体調は改善されていきました。そして、享げんの再発もなく、体力もついて心身ともに落ち着いてきたころには、腋臭はすっかり解消していたそうです。

現代病名:腋臭

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

9〈2年間続いた尿もれが2週間で快癒〉

治例図

会社経営者のSさん(58歳)は、行動的でおしゃれな女性ですが、肥満気味で、2年前から頻尿と尿もれに悩んでいました。トイレに間に合わないことが多く、常に下着を持ち歩いていたほどです。自分で治そうといろいろ試しましたが、改善せず、知人の紹介で病院を受診しました。
Sさんは胃が弱く、冷えやむくみがあるため、真武湯六君子湯を併用することになりました。服用を始めて2週間、尿もれは完全に治まりました。冷えが取れ、胃の状態が安定すると、顔のむくみが消え、体重も2kg減っていました。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:尿もれ

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

10〈冷房負けによる症状が1ヵ月で解消〉

治例図

Wさん(50歳・男性)は、常に冷房のきいたオフィスでデスクワークをしている会社役員です。あるときからめまいに悩まされるようになりましたが、あまり気にとめることもありませんでした。

ところが数日後、会議中に突然倒れ、病院に運ばれてしまったのです。病院ではメニエール病と診断され、薬を投与されましたが、一向によくなりません。見かねた奥さんが自分の主治医である漢方を処方する内科医にWさんをみてもらったところ、冷房によって起こる水毒症状だと診断されました。

Wさんは、真武湯を処方されるとともに靴下用カイロを活用するようアドバイスを受けました。Wさんは、医師の言うとおりに漢方薬を飲み、カイロを使い続けました。すると、わずか1ヵ月でめまいなどの症状が消え、体力もついて元気になったとのことです。

弁証論治 脾腎陽虚証  

現代病名:冷房負け

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

10〈真武湯でめまいが改善した〉

治例図

働き盛りのNさん(45歳・男性)はある日、会議中に突発性の回転性めまいで倒れてしまいました。

検査の結果はメニエール病ということで、抗めまい剤による治療をすることになりました。しかし2、3年続けても完治しません。

そこで漢方を処方する医師に相談すると、やせ型で冷えのあるNさんには、真武湯の煎じ薬が処方されました。

この薬を服用して2週間後、めまいはすっかり取れ、今では予防的に真武湯の粉薬を携帯するくらいで済んでいます。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:メニエール病(めまい)

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

10〈目の疲れが取れ元気になった〉

治例図

老眼のせいで目が疲れることが多くなったと、漢方の診療所に行ったFさん(70歳・女性)。足腰がだるい、元気が出ないといった全身の倦怠症状があり、白内障の初期でもありました。

処方されたのは八味地黄丸真武湯で、この2つの薬を交互に飲むことになりました。朝に八味地黄丸を飲んだら昼には真武湯を飲む、といった具合です。

すると、服用して2週間で足腰がしゃっきりし、元気も出てきました。そして3ヵ月後には、体力が回復するとともに視力がアップし、目の疲れも取れたのです。

現代病名:視力減退

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

10〈3ヵ月で目の乾きが解消〉

治例図

Rさん(35歳・女性)が漢方を扱う医院を訪れた最初の理由は、ひどいめまいでした。

処方された真武湯を服用しはじめると、数ヵ月でめまいは改善したのですが、今度は目の乾きを強く自党するようになったのです。それまでも多少の自覚症状はあったものの、めまいの方がひどく、乾きは気にしていませんでした。

下半身の冷えが強いRさんには再度、真武湯が処方され、加えて今回は五積散も処方されました。これを朝、昼、晩と交互に服用したところ、1ヵ月後には目が乾かなくなり、その2ヵ月後には、ほとんど気にならない程度にまで症状が改善したのです。

現代病名:目の乾き

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

10〈真武湯でインフルエンザ予防〉

治例図

かぜをひきやすい体質のK君(8歳)。

K君のお母さんは、いつもつらそうにしている息子を心配し、近くの漢方薬局の薬剤師に相談することにしました。

そして、薬剤師の「毎年かぜに悩まされるのだったら、かぜの予防のために真武湯を飲ませてみたらいかがですか」というアドバイスに従うことにしたのです。すると、1ヵ月後、インフルエンザが学校で流行し、学級閉鎖寸前にまでなりましたが、K君はほかの同級生とは違って体調を崩すこともなく、元気に過ごすことができたそうです。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:インフルエンザ

15〈葛根湯で治らないかぜ〉

治例図

これまで、かぜをひいたときは葛根湯で上手に治せていたFさん(68歳・女性)。

しかし、あるときいつものように葛根湯を飲んだところ、汗が止まらなくなり、漢方に詳しい医師に相談しました。

医師はFさんを診察し、脈が非常に弱っていることから虚証向きの真武湯を選択。その場でエキス剤を温かい湯に溶かして飲んでもらったところ、汗が止まり、脈にもカが出てきました。

体力のある実証の人でも、疲労が重なったり、かぜで衰弱すると虚証の症状になっていることがあるので注意が必要です。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:感冒の後期

16〈鼻や目の不快症状がすぐに取れた〉

治例図

主婦のFさん(53歳)は、寒いところに出るといつもすぐに鼻がつまり、まぶたがあけていられないほど重くなり、眠いように感じる症状に悩んでいました。

漢方を扱う医師に相談すると、真武湯を処方されました。お湯で服用したところ、たちまち鼻づまりが治り、目がバッチリと開くようになり、体の何ともいえないだるさも取れました。

Fさんの症状は、冷えと水の停滞で腎が冷え、腎の機能が低下していたために、水が上半身にあふれた状態になって起こったものだ、ということのようでした。

弁証論治 腎陽虚(命門火衰)証  

現代病名:鼻風邪

17〈漢方薬で症状の進行が止まった〉

治例図

Wさん(62歳・女性)は、市民検診で白内障と診断されたものの、手術の必要はないといわれ、点眼薬だけを使っていました。しかし思うような治療効果が得られないため、漢方薬を試してみようと、漢方の専門家を訪れることにしたのです。

あざができやすい、冷えがひどい、下痢をしゃすいというWさんには、血の流れを改善する桂枝茯苓丸と、体を温める真武湯が処方されました。服用して2週間もすると、Wさんの目はかなりものが見えやすくなっていました。また、あざができにくくなっていることにも気がついたといいます。その後も引き続き服用し、1年後の市民検診では白内障が進んでいないことが分かりました。

発症してから5年が経過した現在も、症状は安定していて手術の必要もありません。Wさんは現状維持のため、漢方薬を飲み続けています。

現代病名:白内障

18〈真武湯と当帰芍薬散で再発防止〉

治例図

ネフローゼ症候群で入院していたYさん(22歳・女性)は、退院後、ステロイド剤を使いながら通院治療をしていましたが、月経の前後になると尿のたんぱく量が増える傾向にありました。

Yさんは漢方薬で治したいと考え、漢方に詳しい医師の診療所を訪ねました。

Yさんを診察した医師は、虚証で血の滞りがあるとみて当帰芍薬散を、また冷えるとむくみが出る、足元がふらつく、めまいがする、といった症状から真武湯を処方しました。これらを3年ほど服用したところ、Yさんはたんばく尿、むくみがなくなり、ステロイド剤を使わなくてもすむようになりました。

現代病名:ネフローゼ症候群

19〈カイロと漢方薬でバス酔いが解消〉

治例図

Yさん(60歳〕が、秋にバスで旅行していたときのことです。ある山の上で雄大な景色を眺めていると、急に冷え込んできました。Yさんはすっかり体が冷えてしまい、食欲もなくなってしまいました。

バスに戻って多少体が温かくなり、食欲が出てきたので、持ってきていたバナナを食べました。しかし、バナナはおなかを冷やす食材なので、胃腸がすっかり冷えたために急にバスに酔ってしまいました。

薬を飲もうにも、胃が受け付けず、気分が悪くてどうしょうもなかったのですが、以前友人から、車に酔ったら足を温めるとよいと聞いたことを思い出し、足の裏に使い捨てカイロを貼って、足に毛布を掛けていました。すると、だんだん体が温まってきて胃腸が動き出し、すっと症状が軽くなったのです。

そこで、持っていた真武湯を飲むと、酔いはすっかり治ってしまいました。

弁証論治 脾腎陽虚証  

現代病名:乗り物酔い

20〈血圧の改善とともに白内障が解消〉

治例図

漢方を扱う医師のもとで高血圧の治療を受けていたHさん(55歳・男性)は、治療を始めて間もなくすると、ものが見えにくくなってきました。

そこで、眼科を訪れたところ、白内障と診断されたのです。Hさんはショックを受けましたが、白内障の治療も漢方薬でできないだろうかと漢方を扱う医師に相談してみました。すると、真武湯八味地黄丸が処方されたのです。医師が言うには、手足の冷えが強いこと、高血圧であること、また年齢を考慮して選択された処方でした。

漢方を服用しはじめたときのHさんの血圧は98~160㎜Hgでしたが、3ヵ月後には正常血圧値の70~130㎜Hgにまで下がりました。

6ヵ月後には目のかすみが取れ、視界も良好になってきました。そして、再び同じ眼科で検査を受けたところ、白内障の症状がかなり軽くなっていると言われたのです。現在もHさんは現状維持のために漢方薬を飲み続け、不自由なく生活を送っています。

現代病名:白内障

21〈高所に上れなくなったとび職の若い男性が2年で完治〉

治例図

とび職のAさんは、26歳の若い独身男性です。レイノー現象に加え、めまいがしてふらふらするので、高い所へ上ることができない状態でした。病院では皮膚筋炎と診断され、しばらく治療しましたがよくならず、1年ほどたった11月に漢方薬局に相談に行きました。

薬局では、真武湯と当帰四逆加呉茱萸生美湯を勧められました。ふらふらするのは真武湯が適した証で、冷えには、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が向いていたのです。

半年ほどして6月になると、ふらつきが取れてビルの工事現場の高い所にも上れるようになりました。証が変わったので柴胡桂枝湯と真武湯に変え、8月以降は柴胡佳枝湯だけを2年ほど続けたところ、皮膚筋炎とされた症状もすっかりなくなりました。

現代病名:レイノー症候群

22〈夏でもカイロが手放せなかったほどの冷えが解消〉

治例図

ある年の夏から、足腰は冷えているのに、顔はのぼせてボーつとなるという症状が出はじめたUさん(53歳・男性)。夏だというのに股引(ももひき)をはき、腰にカイロを貼り付けて過ごすほどでした。

秋口になり、いっそう寒さや冷えが身にしみるようになったuさんが漢方薬を処方している病院を訪れたところ、長年オフィスの冷房に当たっていたことが原因で、体に冷えがたまってしまったのだろうとの診断でした。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯真武湯を朝夕交互に飲むようにと処方され、同時に冷房の設定温度を少し上げること、また足腰を温めるように気を付けることをアドバイスされました。

その後、医師の指示どおり薬を服用し、日常生活に気を付けていたところ、やがて寒くてたまらないと感じることが少なくなっていきました。さらに翌年の冬にはカイロの必要もなくなり、前もって布団を温めておかなくても済むようになったのです。

今では、冷え症が改善したことでコートを着る期間が短くなったと、とても喜んでいます。

現代病名:冷え症

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

23〈夫婦で漢方薬を服用し、念願の妊娠〉

治例図

T男さん(32歳)とK子さん(33歳)夫妻は、中等度精子無力症が原因で妊娠できずにいました。K子さんの体に異常はないものの、月経過多と月経痛に悩まされていました。

また、夫妻はすでに体外授精を2回経験していました。次回の体外授精の日程も決まっていて、それを何とか成功させたいと、夫妻は漢方を扱う病院を訪ねたのです。

T男さんはやせ型で体力がなく、冷えがたまっていることから、体を温めて新陳代謝を上げる真武湯が処方されました。

また、K子さんには、月経異常を改善し、妊娠しやすく、かつ妊娠を継続しやすい体をつくるために、血のめぐりを改善する桂枝茯苓丸四物湯が処方されました。

漢方薬を服用しはじめると、2人ともそろって体調がよくなってきました。服用を続けて8ヵ月後、検査をしてみると、T男さんの精子運動率が上がっていたのです。

予定していた体外授精は成功し、2人は赤ちゃんとの対面を心待ちに毎日を送っています。

現代病名:中等度精子無力症

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

24〈症状が3年ほどですっかり緩和〉

治例図

青果店を営んでいる40歳の男性Gさんは、胃下垂のために冷え症に苦しんでいました。早朝の市場通いは欠かせませんが、毎日とてもつらい思いをしていたそうです。

特に冬場は、冷えが強まり、下腹部が痛くなり、下痢のために何度もトイレに駆け込むといったことも少なくなかったといいます。

そんなGさんを見かねた奥さんが、漢方を活用している医院に連れて行って相談すると、真武湯を飲むように勧められました。

1年ほど服用を続けると、冷え症が少しずつよくなり、下痢の回数も減ってきたそうです。それまでは、夏になると低血圧気味になってふらふらすることもありましたが、そういった症状も緩和しました。

3年服用を続けたころには、冬になっても足先の冷えが気にならなくなり、市場への買い出しも楽になったそうです。

現代病名:胃下垂

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

25〈柴胡桂枝湯と真武湯でつらい症状が翌日にはすっきり〉

治例図

冬のある日、会社員のRさん(男性・42歳)は、かぜをひいたといって会社を早退しました。少し熱っぽいと感じたRさんは、その日は晩酌をやめて早めに休んだのですが、翌日に高熱が出てしまいました。

食欲もなく、関節も痛いため、その日は欠勤することに決め、かかりつけの漢方の専門医を訪ねようと思ったのですが、移動するのもつらく、しかたなく自宅で安静にしていました。しかし、症状はますますひどくなるばかりで、ようやく病院を訪れることができたのは、発症後3日もたってからでした。

漢方の専門医は、Rさんをインフルエンザと診断し、高熱や関節痛などを解消する柴胡桂枝湯と、体を温める真武湯を処方しました。

早速、その日のお昼に柴胡桂枝湯を服用したところ、数時間で熱が下がりはじめました。

さらに、夕方になってから真武湯を服用すると、徐々に高熱によると思われる頭重感や関節痛などの症状も解消し、Rさんは翌日、元気に出勤したということです。

弁証論治 風寒(表寒)証  

現代病名:インフルエンザ

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

26〈疲れからの食あたりが漢方で改善〉

治例図

Yさん(25歳・男性)は、1月に友人と夜行バスでスキーに出かけました。夜出発して翌日の朝から滑り、その夜の夜行バスで帰宅するという強行スケジュールでしたが、若いこともあって特に疲れを感じることもなく、楽しいスキー旅行となりました。

ところが、帰ってきてから2~3日下痢が続いて、数回整腸剤を飲んだものの、なかなか治まりませんでした。

そこで、かか りつけの漢方を処方する医院を訪れることにしたのです。本人は夕食に出された卵料理があたったのではないかと考えていましたが、そうではなく、冷えと疲れからきている食あたりと診断され、真武湯を処方されました。

そしてこれを飲んだ翌日には、下痢はぴたりと止まりました。

現代病名:食あたり

27〈海外旅行での食あたりが治まった〉

治例図

Tさん(23歳・女性)は、友人と4泊5日で東南アジアへ旅行しました。食事にはできるだけ気を付けていたのですが、最終日の夜に、現地の屋台で本場の味を楽しんで部屋に戻りました。すると、夜半からおなかの調子が悪くなりはじめたのです。食中毒ではと心配になったのですが、同行した友人は大丈夫だったので、食中毒ではなかったようです。

しかし不安だったので、帰国するやいなやかかりつけの漢方を処方する医師のもとを訪れました。

念のため検便もしましたが特に異常はなく、五苓散真武湯を処方され、それらを服用するとすぐに改善しました。旅行の疲れと、食べなれない料理による下痢だったようです。

現代病名:食あたり

28〈強いうつ症状が加味逍遙散と真武湯で完治〉

治例図

初冬のある日、Fさん(35歳・女性)が「毎月、月経が近づくとうつ状態になってしまい、仕事に悪影響がある」と漢方の専門医のもとを訪ねてきました。実は、Fさんは20代後半から月経前症候群と診断されホルモン療法を受けていましたが、一向に改善されなかったため戸惑いを感じていたのです。

そんなとき、漢方薬で体調がよくなったという同僚にこの医院を紹介され、来院したのでした。精神的症状が強くて手足が冷えやすいというFさんには、気のめぐりを改善して精神安定を図る加味逍遙散と、体を温めて冷えを取る真武湯が処方されました。

服用して1ヵ月後の月経前の時期には、本調子ではないものの会社を欠勤せずに過ごせました。手ごたえを感じたFさんが冷え対策にも積極的に取り組むようになると、ひと月ごとに症状が緩和されていきました。そして、2年目の夏を迎えるころには、薬の服用をうっかり忘れてしまうほど症状が改善されていたのです。

3年以上たった現在でも、Fさんは体調維持と再発予防のために漢方薬を飲み続けています。

現代病名:月経前症候群

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

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