ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。
【茯苓飲の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
K君(17歳)は、受験前の大事な時期に食欲がなくなったので、両親も心配をしていました。本人は「食べてもおいしくない」と訴え、食べてもいないのにおなかが張って、胃の辺りがぼっこりふくれたような感じです。また、げっ、ぷが出やすくなり、げっぷをすると口まで水が戻ってくることもありました。
漢方薬を扱う病院で診てもらったところ、茯苓飲を処方されました。
これを服用すると、2~3日で胃の張りと膨らみがなくなり、食欲も回復しました。
現代病名:おなかの張り
出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス
34歳になるOLのBさんは、食後すぐに胃がもたれるので、あまり量が食べられなくなり、漢方薬を扱っている病院を訪れました。
多めに食べると2~3時間後に、食べたものが胃から上がってきてしまい、仕方がないので、上がってきたものをもう一度飲み下すというのが習慣になっていたようです。人前でそうしたことをするのは恥ずかしいし、会議があるときなどは非常に困るので、あまり食べないようにしているとのことでした。
本人は胃下垂であることを知っていて、市販の胃腸薬なども飲んでいたのですが、あまり効果はなかったようです。胃下垂には漢方がよいと友人から聞き、来院したとのことでした。
Bさんは、茯苓飲が処方されました。3ヵ月後に来院したときには、食べたものが胃から上がってくる症状がかなり減ったようです。1年ほどたったころには、症状はほとんどなくなりました。
ただし、ひどく疲れたりすると症状が再び出ることがあるため、現在でも量を減らして服用を続けているそうです。
現代病名:胃下垂
出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス
トラック運転手のKさん(45歳)は、体力は頑強ですが、神経を使う仕事のせいか、たえず胃酸過多気味でした。
そこで、漢方薬局に相談すると茯苓飲を処方されました。
以来、服用しはじめて半年ほどたったころ、胃の調子もすっかりよくなり、長距離運送も苦にならなくなりました。
現代病名:胃酸過多症
出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス