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コタロー 麻杏甘石湯 エキス細粒の 医師の処方解説(漢方体験談)

気管支喘息、小児喘息、苦しい呼吸を楽にして咳(せき)を止める即効薬

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コタロー 麻杏甘石湯 エキス細粒

医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【麻杏甘石湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈感冒後の咳嗽〉

治例図

24歳、男性。病院職員。
咳噺を主訴に来院。約10日前に、感冒様症状(発熱、悪寒、咽痛)有り、市販の感冒薬を3日ほど服用したところ、諸症状は軽快した。しかしその後、軽度の咳漱が残り、一昨夜残業したところ、昨日より咳漱が悪化し、黄色の喀疾が出るようになった。また、夜半に喘鳴と呼吸困難のため覚醒したという。身長172㎝、体重72㎏やや赤ら顔で身体の芯に熱感を自覚する。粘った汗が出る。口渇があり、冷水を好む。呼吸音は正常。胸部X線写真に異常はない。舌は正常紅舌で、わずかに白苔がある。脈はやや浮いており充実。腹は中等度で粘った汗が腹壁にみられる他は著変はない。
麻杏甘石湯を投与した。抗生物質の適応とも考えられたが、炎症反応は著しくなく、また病院の職員でもあり悪化の兆しがあったら抗生剤をと考えて投与しなかった。服用直後より痰の切れがよくなり、咳嗽も軽快して服薬4日間でほぼ全快した。

現代病名:咳嗽

2〈痔疾〉

治例図

32歳女子。
数年前から内痔核が外にとび出し、激しく痛む。ときに出血も伴う。手術をすすめられたが、何とか切らずに治したいと漢方に最後のよりどころを求めて来院。脈力、腹力はともに中等度前後、咽の渇きがあったので、乙字湯より麻杏甘石湯の適応とみて投与すると、まもなく出血も止まり、痛みも軽快した。
約5ヶ月服用を続け、本人の希望で休薬したが、これで果たして完全に内痔核まで消失したかはどうかは疑問。完治には最低1年の服薬が必要と考えられるからである。

現代病名:痔疾

3〈せきの薬で痔が改善された〉

治例図

経理部に勤める38歳のS男さん。残業が続き、かぜぎみでのどがいがらっぼく、せきが続いていました。けれども熱はありませんし、体力にも自信があるので、医師には診せず放っておきました。
ところが、かぜは悪化しないものの、せきがなかなか鎮まりません。そのうち、肛門に小さないぼのような痔ができたのです。触ると痛みがあり、せきをするたびに響いて痛みます。
痔ですぐに病院に行くのはためらわれたので、とりあえずせき止めの薬でも飲んで痛みを軽減したい、と近所の漢方薬局に立ち寄ってみました。すると「せきと痔は関係がある」といわれてびっくりしました。せきの薬だという麻杏甘石湯を処方され、3日間飲んでみると、せきが止まり、痔も小さくなりました。排便などに気を付けているうちに痔も治ったのです。

現代病名:痔疾

4〈せきだけでなく、おねしょも治った〉

治例図

N君は小学5年生の元気な男の子ですが、かぜをひくと、必ずせきが止まらなくなってしまいます。
N君はすぐにのどが渇くため、水をやたらと飲み、体に水が余ってせきが出ているようでした。

そこで、のどの渇きをとって、せきを鎮める麻杏甘石湯を処方したところ、すぐに効果が現れ、2日目にはせきがぴたりと止まりました。
体質改善のため1週間ほど続けるよう勧めたところ、おねしょも治ったということです。以後、かぜをひいても、せきに悩まされることはありません。

弁証論治 熱邪犯肺・風熱犯肺証  

現代病名:咳・夜尿症

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

5〈痔核〉

治例図

43歳の婦人。

一週間前にかぜをひき、しきりにせきが出た。そのためか痔が起こって痛んで困るという。

せきもまた止まらず、せきするたびに、痔にひびいて痛むという。食欲、大小便に異常がない。悪寒も熱もなく、ただせきと痔痛だけである。痔を診ると、栂指頭大の外痔核が紅く張り切れそうに腫れて、ちょっと触れても痛む。

これに麻杏甘石場を与えると、3日分のみ終わらないうちに、せきも止まり、痔痛も去り、痔も小さくなった。古矢知白は本方を睾丸炎や痔核に用いている。本方は麻黄湯の桂枝のかわりに石膏を入れたもので、自然に汗の出るものに用いることになっているが、熱のない場合は汗が出なくとも用いてよい。

現代病名:痔核

出典出典:「漢方診療三十年」出版社: 創元社 (1959) 担当医師:大塚敬節

6〈小児喘息〉

治例図

5歳の男児。

初診は昭和36年12月。生まれつき弱い子であったが、生まれた翌年の秋に風邪をひき、それから咳漱が続いて、小児喘息といわれるようになった。あるいは慢性気管支炎といわれることもある。

平常もせきこみがあるが、風邪をひくと激しくなる。百日咳のように、せきこむのである。栄養も顔色も普通、便通は一回、偏食がひどく、食欲がない。口渇は少しある。このような激しいせきこみで、自汗と口渇があれば、麻杏甘石腸の適応証である。浅田流では五虎二陳湯として用いることが多い。

この患者にも五虎二陳湯を用いた。10日分の服用により、喘息はすっかり治り、食欲が出た。いままでは怒りやすくすぐ興奮したが、とてもおとなしくなり、家族は大喜びであった。この子はその後、生来のせきこみから解放されて、見違えるほど丈夫になった。昭和37年には55日分、翌38年には50日分の薬を一年かかってのんだが、すっかり体質が変わったように丈夫になった。

現代病名:小児喘息

出典出典:「漢方の臨床 11巻6号」発行所:東亜医学協会 担当医師:矢數道明

7〈小児喘息〉

治例図

8歳の男児。

昭和36年10月初診。3歳のときから気管支喘息といわれ、かぜをひきやすく、かぜをひくたびに発作が起きた。痩せ衰えて、顔色は蒼白く、いかにも弱々しい姿であった。6年の間百方手を尽したが効なく、2年前からはとくにひどく、一年中発作が続くので、大学病院に入院していろいろ新しい療法もうけたが、思わしくなかったという。

発作時の様子をきくと、毎夜11時ごろから苦しくなり、明けがたになって最高潮に達し、昼間は少し軽くなる。発作がひどいときは一週間床についている。呼吸困難がひどく、咳嗽をともなう。脈はやや頻数で、力は弱い方である。腹は両腹直筋が緊張している。右季肋下部に抵抗が強く、胸脇苦満がある。便通に変わりはない。この患者に初め神秘湯を与えたが、20日分のんでもあまり効果がないという。そこでよくきいてみると、咳嗽が相当あり、せきこんで痰がからみ、汗が出て、口が渇くというので、五虎二陳湯に変えた。

これをのむようになって、咳漱や呼吸困難が非常によくなり、顔色もよく、体力も充実して太ってきた。翌年2月来院のときは別人のようになり、近ごろは学校を1日も休まず、30分の道程を駆け足で通っているというので、受持の先生はいったいどうしたことかと驚き、学校中の評判になっているということである。

現代病名:小児喘息

出典出典:「漢方の臨床 11巻6号」発行所:東亜医学協会 担当医師:矢數道明

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