【牛車腎気丸の臨床効果に関する・エビデンス】…根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine)です。
●対象:老人性頻尿40例。
●方法:器質的疾患を除外したうえで、牛車腎気丸投与前後で排尿回数と残尿量を比較した。
ポイント:排尿回数は日中では8回以下の症例数が増加し、9回以上の症例数が減少した。
夜間では3回以下の症例数が増加し、4回以上の症例数が減少した。
残尿量を測定しえた21例中14例66.7%で残尿が減少し、2例で増加した。
総合評価では、有効11例27.5%、やや有効19例47.5%、無効10例25%であった。
参考文献:現代医療学,7:241-244,1992
ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。
【牛車腎気丸の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。
Mさん(70歳・男性)は、50代のときの成人検診で眼圧値が高いことが判明し、その後、開放隅角緑内障と診断されました。
以来、点眼薬のβブロッカーで眼圧をコントロールしていましたが、最近は
あまり眼圧が下がらず、両眼とも21㎜Hgという正常値ぎりぎりの値でした。また、白内障を合併し、目がかすむようにもなってしまいました。
心配になって眼科を訪れたMさんは、点眼薬のほかに漢方薬の併用を医師から勧められました。Mさんには、夜間頻尿やのどの渇き、足腰の冷えやしびれ、腰痛などの諸症状があったことから、八味地黄丸に牛膝、車前子を加えた牛車腎気丸が処方されることになりました。
2週間ほど服用した後、眼科で再検査を受けたところ、眼圧は両眼とも18㎜Hgまで下降し、かすみ眼の症状も軽快していました。
以後、牛車腎気丸の服用を続けており、眼圧はずっと安定しているそうです。
現代病名:緑内障・白内障