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ツムラ 薏苡仁湯 エキス顆粒(医療用)の 医師の処方解説(漢方体験談)

はれ・痛みのはげしい関節痛、筋肉痛を解消する良漢方薬

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ツムラ 薏苡仁湯 エキス顆粒(医療用)
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医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【薏苡仁湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈肩から背中にかけての痛みが改善〉

治例図

Tさん(45歳・男性)はプログラマーです。

ストレスがたまる仕事の上、徹夜も多く、運動不足と睡眠不足が続いていました。肩から背中にかけて慢性的な痛みがあり、貼り薬などを使っていたのですが、なかなか治りませんでした。知人に漢方を扱う医師を紹介されたTさんは、早速、その医師を訪ねました。

背中が張ってくると熱い感じがすることを告げると、薏苡仁湯が処方され、また体を動かすことも進言されました。半月ほど服用し、生活も見直すようにしたところ、背中の痛みはなくなったそうです。

弁証論治 痺(ひ)証  

現代病名:肩・背中痛

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

2〈関節リウマチ〉

治例図

筋骨質のがっちりした体格の60歳の男子。

約一年余り前から、四肢の関節に痛みを覚えるようになった。

現在左右の膝関節が主として痛んでいるが、左の方の痛みが強い。数日前、左の膝関節に注射をしてもらったら、その部がひどく腫れて、かえって痛むようになった。たまに足の外くるぶしのあたりに痛みのくることがあるという。

脈は浮いていて、緊張がよく、腹部の筋肉も弾力があり、腹直筋はやや緊張している。これに薏苡仁湯加桃仁・防已各3.0を15日分与えたが、これをのんで1キロぐらい歩いたが少しも痛まず、ほとんど治った。

現代病名:関節リウマチ

3〈漿液性関節炎とリウマチ〉

治例図

33歳の主婦。

初診は昭和39年3月である。約一年前に右の腓腸筋に惨痛が起こり、神経痛といわれ治療をうけた。項背部にいつも湿疹ができていて痒く、アレルギー性体質だといわれたことがある。

その後1ヵ月ぐらいすると、右の膝関節が腫れて痛み、水がたまったので今回も水をとった。このときは単なる関節炎であるといわれた。すると2ヵ月後には左の膝関節が腫れてきて、ここからも水をとった。そのうちに左右の腕関節にも腫れと痛みが来るようになった。多発性関節リウマチだということで、副腎皮質ホルモン剤をのんだ。すると盆状に顔が腫れたばかりでなく、顔色が黒くなってきた。

なかなかよくならないので、12月に入院して加療に努めたが、思わしくなかったという。

栄養は中等度で、顔色は腫れていて赤い。脈は浮でやや数、舌白苔がある。腹力は普通で、とくに圧痛や苦満も痞硬もない。

そこで副腎皮質ホルモン剤を中止させ、薏苡仁湯を与えると、10日の服用で約3割ぐらい楽になったという。皮質ホルモン剤で痛みを止めていたものを中止させて漢方薬だけにすると、たいていは一時ものすごい痛みが起こり、症状が強くなるものであるが、この患者の場合は、中止しても反動が起きずに、順調に好転し、一カ月目には8割方よくなったとよろこび、二ヵ月後には9割どおり治りましたと感謝され、前後六ヵ月間の服薬で全治した。

現代病名:漿液性関節炎とリウマチ

4〈リウマチ〉

治例図

36歳の婦人、独身の勤務者。ニカ月前より右栂指の関節から腫れと痛みが始まり、強直を起こし、それから全身の関節に波及した。この患者もいままで全身に湿疹が出ていて、アレルギー性体質だといわれていた。

副腎皮質ホルモンの治療をうけていたが、これ以上続けない方がよいといわれ、痛みを耐えているという。

栄養は比較的よい方で、顔色も普通、脈は沈んでいる。舌苔はない。腹部は軟かで力はあり特記すべきものがない。現在は右栂指関節が腫れて強直を起こしているのと、疲れると全身の関節が痛みだすということで、勤務はがまんしながら続けている。

この患者には薏苡仁湯を与えた。そして加工附子の末0.5グラムを2回ずつ兼用させた。すると10日後には痛みを忘れ、一カ月後には栂指の強直が治って動くようになり、従来の主治医であった大学の医師は驚いて、何か薬をのんだのかとたずねたので、漢方薬のことを話すと、自分もかねて漢方を研究してみたいと思っていたと、率直にその効果をほめてくれたという。ちょうど半年間続けて全治廃薬した。

現代病名:リウマチ

5〈リウマチと下肢麻痺に与えて体質一変〉

治例図

60歳の婦人。

初診は昭和39年6月9日であった。水ぶくれの肥満型で顔色は普通。主訴は二年前から両脚がガクガクになって力が抜け、立っているとシビレて足が棒のようになる。ツ、不ってもわからない。便所へ行って立ち上がる時が大変な騒ぎである。階段や坂道の上下など、とても一人ではできない。駅の階段で必ず人手をかりることで有名になっていた。

脈は強く、血圧は180ぐらい、心臓が肥大している。食思、便通は変わりがなく、腹部はひどく膨満している。

薏苡仁湯を与えたが、これを20日分飲むと、二年聞悩んでいた足のシビレ感や棒のようになるのが治り、膝に力がついてきた。さらに20日分のむと、駅の階段も一人で平気で上下できるようになって、近所の人や友人の間で大評判となった。足をツネると感覚があるのに驚いた。血圧も130/80となり、自由に歩くことができるようになった。

半年間服用すると、いままで70キロもあり、太って困っていたのに50キロに痩せ、身体が軽く自由になった。

婦人で水ぶくれの肥満体質で、足がシビレて棒のようになり、長く立っていられないというようなのには、防已黄老白湯がよく用いられる。あるいは八味丸や痿証方なども考えられる。しかし私は、薏苡仁湯を選んだ。

現代病名:リウマチと下肢麻痺

ポイント:薏苡仁湯は「明医指掌」の処方で、「手足の流注疼痛、麻痺不仁、以て屈伸し難きを治す」とあり、麻黄加朮湯と、麻杏薏甘湯とを合方して、杏仁を去り、当帰・芍薬を加えたもので、表水の動揺と血燥を治すものである。表水をよく消導して、この水ぶくれによって起こっていた諸症状が、すべてよくなった代表的症例であ る。

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