Now Loading

ツムラ 清肺湯 エキス顆粒(医療用)の 医師の処方解説(漢方体験談)

痰(たん)の多く出る咳(せき)・COPD(慢性閉塞性肺疾患)

↓ご注文へ ↓ページ最終へ

この商品ページは、4ページあります。

ツムラ 清肺湯 エキス顆粒(医療用)
相談窓口

医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【清肺湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈気管支拡張症〉

治例図

36歳の男性。

数年前より咳嗽があり、午前中、ことに起床後1時間ほどがひどい。痰も多く、たちまち痰壷が一杯になる。1年に2~3回、春秋に喀血するという。内科医からは気管支拡張症といわれていた。

患者は色浅黒く、栄養状態はそれほど悪くはない。左背下部に「ラ」音がある。腹は中等度の弾力がある。清肺湯を与えたが、あまり変化はなく、力がついてくる感じがするという。

3ヵ月ほどで痩が半減したので、引き続きのんでいるうちに、1日急に高熱が出た。いつもは大抵数日下がらないのに、今度は翌日平熱となり、いままでほど疲れないという。服薬後10ヵ月、体重も少し増し、一回も喀痰がなく、朝の痰も非常に少なくなった。それで服薬11ヵ月目から勤務することになった。

弁証論治 熱痰  

現代病名:気管支拡張症

2〈気管支喘息〉

治例図

58歳の男性。

初診は昭和39年3月24日であった。主訴は昨年12月初めに風邪をひき、なかなか治らないでいた。本年1月の末ごろから、呼吸が苦しくなり、せきと痰が出て苦しむようになった。左の背中が痛むことがあり、白いアワのような痰や黄色の痰が出たりする。

この患者は数年前から血圧が高くなり、心臓が肥大しているといわれた。レントゲンで診てもらったが、結核の方は心配ないといわれたという。栄養は中等度、顔色は蒼白の方で、脈は弦、舌苔はない。腹は軟満、心下部に少し抵抗がある。胸部を診ると左側にとくにギーメンが多い。たしかに気管支喘息というものであろう。よって初めに喘息、咳嗽漱喀痰、泡沫様のものを目標にして、小青竜湯加杏仁・茯苓を与えた。10日分服用後再来のとき、ほとんど変わりがなく、せきや痰も出るという。痰の出かたをよくきいてみると、なかなか切れにくいというのである。左側の背痛を訴える所のあたりが、とくにギーメンが多い。これは気管支炎を併発しているものらしい。小青竜湯が効くはずなのに効かない。よって清肺湯に転方した。

清肺湯にして3日目から咳嗽喀痰が少なくなり、ほとんど出なくなり、とても楽になったということであった。患者は薬が切れたので来院したが、そのとき私は学会で休診していた。そのため3日間休薬したら、また少し痰とせきが出始めたので大急ぎでやってきたという。

最近は毎日夕方、好きなテニスをやっているが、少しも苦痛がなく、快適な運動ができるようになったとよろこんでいる。

弁証論治 熱痰  

現代病名:気管支喘息

3〈心臓性喘息〉

治例図

65歳の婦人。

太っているが顔色は蒼い。約3年前から心動悸と激しい呼吸困難とを訴え、咳漱に悩まされてきた。擁はなかなか切れにくく、朝は濃い黄色い粘疾で、午後は白い震が出る。せき込みが激しくなると、お腹の皮が痛くなるほどで、そのようなときは顔にむくみがくる。

三年来病名は心臓性喘息といわれていた。血圧は170/110、脈は沈んで力強く打っている。心臓は肥大し、心音はきわめて弱い。胸部には水泡音もギーメンも聴取されない。心下部にはお盆をのみこんだように石のように硬く張りつめて、心下痞堅ともいうべきほどである。

金匱の痰飲咳嗽篇に「隔間の支飲、其の人喘満、心下痞堅、面色黒、其脈沈緊なる者木防己湯之を主る」とあって、本患者はこれに相当しているように思われたが、患者は「私は桂枝の組み入れられた漢方の処方は必ず悪化しますから、入れない処方にして下さい」という。

そこで私は疾が切れにくいということを唯一の目標として清肺湯を与えた。清肺湯を3日間のむと、4日目から非常に楽になり、疾の切れがよくなり、咳嗽喀痰がとても少なくなった。

発病以来こんなに楽になったことは一度もないといって感謝された。本方を服用していると気持よく生活できるといって服用を続けている。

弁証論治 熱痰  

現代病名:心臓性喘息

4〈老人性咳嗽・慢性気管支炎〉

治例図

85歳の男性。

2年前に肺炎を病み、その後とかく痰持ちとなり、せきと痰が少しずつ出ていた。ちょうど1カ月前に風邪をひき、その後微熱と咳嗽が止まらない。

体格普通、顔色は赤黒く、皮膚枯燥の状があり、痰がなかなか切れにくく、切れるまでせきこむという。心下硬く、胸脇苦満がある。

肺熱燥痰の証として清肺湯加柴胡を与えたところ、すっかりよくなった。

今度はもうおしまいと思って観念していたが、もう少し長生きができるとよろこんでくれた。1カ月でほとんどよくなった。

弁証論治 熱痰  

現代病名:老人性咳嗽・慢性気管支炎

↑ページ先頭へ