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ツムラ 竹筎温胆湯 エキス顆粒(医療用)の 医師の処方解説(漢方体験談)

不眠・神経症、熱が長引き、咳・痰

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ツムラ 竹筎温胆湯 エキス顆粒(医療用)
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医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【竹筎温胆湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈感冒回復期の不眠に竹筎温胆湯〉

治例図

〔症例〕72歳、女性。

〔初診〕平成3年1月。

〔主訴〕かぜが治らない。不眠。

〔既往歴〕特記すべきものなし。

〔現病歴〕多忙の中でかぜをひいたと年末に電話がかかってきた。申しわけないが行けないので、使いの者に薬を渡してほしいとのことである。以前から母親は私の患者で、いつもその付き添いとして来院している人である。見たところあまり丈夫そうな人ではない。

電話診断で、寒け、頭痛、発熱などがあることを知り、とりあえず桂枝湯エキス7.5を分3で7日分投与した。

年が明けて1月の末になって来診。いただいた薬がよく効いて、治ったと思っていたところ、また悪くなってきたという。家族も多いし、病人をかかえて相変わらず忙しいようである。それにしても、私がかぜをひくと何もしないで寝込んでしまうが、家内は熱があっても家事をしている。女の人は大変だな、などと関係ないことを考えてしまう。

現在の症状は、時々寒けがし、微熱がある。のどが痛む。頭痛はないが、食欲はあまりない。

とくに眠れなくて困っている。なんとなく神経質になって驚きやすく、痰が少しからんだ咳が出て、安眠できない。

便秘がちで通じ薬を飲んでいる。夜間尿は1回。

〔現症〕身長145cm、体重43㎏。外見よりも体つきはしっかりしている。脈、舌に異常なく、腹証上も特記すべき所見はない。

〔経過〕竹筎温胆湯を投与。これは大変よく効いて、2週間後の来診では、かぜはすっかりよくなった。またよく眠れるようになったとのことであった。廃薬。

現代病名:感冒回復期の不眠

ポイント:『万病回春』傷寒門「傷寒、日数過多にして、其の熱退(ひ)かず、夢寐(むび)(ねている間)寧(やす)からず、心驚、慌惚、煩躁して痰多く、眠らざる者を治す。」(傷寒によって代表される熱のある病気にかかり日数を経てもなお余熱があり、神経質になって驚きやすく、痰が多くて安眠できないという症状の者に用いる。)

『大塚敬節著作集』第3巻「竹筎温胆湯。感冒、流感肺炎などで、一応解熱してのち、咳が出て、痰が多く・煩躁して眠れないものに用いる。」

『漢方診療医典』「(感冒)熱の下がったあと、せきが出て痰が多く、不眠のつづくものにもちいるが、感冒のあと、ただ何となくさっぱりしないものにも用いてよい。」「(肺炎の)回復期になっても熱がまだ残り、痰とせきが多くて安眠ができず、夢をみて神経過敏のものに用いる。」

大塚敬節『症候による漢方治療の実際』「小柴胡湯などを用いて熱は下がったが、何となくさっぱりせず、元気が出ず、ただぼんやりしているものに用いてよいことがある。」

香月牛山『牛山活套』「大病の後煩躁して寝(い)ねざる者多し、竹筎温胆湯を用うべし。神効あり。虚弱なる者は加味帰脾湯を用い、或いは補中益気湯に酸棗仁、伏神を加えて用うべし。効あり。」

津田玄仙(つだげんせん)『療治経験筆記』巻一「此の方は、胸中煩熱の中に痰がまじりて虚煩するを治する方なりと知るべし。」

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