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ツムラ 苓甘姜味辛夏仁湯 エキス顆粒(医療用)の 医師の処方解説(漢方体験談)

慢性気管支炎、気管支拡張症、気管支喘息で慢性化したもの、腹水・浮腫があって咳をともなう

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ツムラ 苓甘姜味辛夏仁湯 エキス顆粒(医療用)
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医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【苓甘姜味辛夏仁湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈長年のせき、たんが少なくなった〉

治例図

長年クリーニング業を営んでいるKさんは、67歳の現在もまだまだ現役です。

若いころからぜんそく持ちであることが、唯一の弱点といえます。せき込み、呼吸が苦しくなるぜんそくの発作が起こっても、寝込むほどのことはありません。体力はある方ではなく、せきとたんが長年の悩みの種でした。

あるとき、店のお客さんと話していて、評判の漢方薬専門の薬局があることを知り、自分の症状がよくなるものならばと思い、出掛けていきました。そこで、年齢からして体力が衰えていることや、せき、たんに苦しむこと、むくみや手足の冷えがあることなどの状態を基に、苓甘姜味辛夏仁湯を勧められました。

Kさんのせき、たんは徐々に少なくなりました。

弁証論治 痰飲伏肺証  

現代病名:慢性気管支炎

2〈気管支喘息〉

治例図

43歳の女性です。

昨年肺炎を経過し、8ヵ月前より風邪のあとで咳嗽喀痰が続き、両側前胸痛、レントゲン数回所見なく、病院にては喘息といわれました。加療するも効なく、食欲衰え、呼吸困難、歩行も不自由になりました。

咳嗽は毎夜11時、1時、4時と三回苦しくなり、動悸・頻尿・唾様の淡い痰が出ます。背や肩がひどく凝ります。

顔色蒼白で少し腫れ気味、脈は沈細で、わずかに数しています。腹は全般に虚状で陥没し、心下部少しく張っています。胸部に笛声音をきき、小水泡音も聴取できます。舌苔なく皸裂(ひび・あかぎれ)を生じ、荒れています。熱はなくて冷え症です。

全身の疲労衰弱・貧血・冷え症などから虚寒証であり、稀薄な痰・多尿・冷汗などより水分の停滞が想像されます。

苓甘姜味辛夏仁湯を与えたところ、一週間の服薬で諸症消失し、食欲が出て、1ヵ月後には軽作業に従事しても疲れず、体重増加し、顔面紅潮を呈し、3ヵ月で全治しました。再起不能とうわさされていたこの患者の治癒は奇跡的とさえいわれました。

現代病名:気管支喘息

3〈気管支炎〉

治例図

これは自家体験である。

年末寒気の最も激しいころ、夜半の往診が三日続き、身体冷却して気管支炎を起こした。発熱はないが、咳嗽頻発、粘梱な喀湊を多量に排出する。咳嗽時には嘔気をともない、ときどき枢吐もした。悪寒に似ていかにも全身が冷えきってしまった感じで、非常に寒く、少しの風でもぞくぞくする。なんとなく生活機能沈衰の気分で元気が出ない。

陽証ではなく、かといって附子の証でもない。結局苓甘姜味辛夏仁湯を服用した。

一回服用すると、非常に身体が温まって、咳嗽が楽になり、気分が引き立ってきた。一週間できれいに治った。

(和田正系氏、「漢方と漢薬」3巻2号)

現代病名:気管支炎

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