Now Loading

ウチダ 麻黄湯 煎じ薬の 医師の処方解説(漢方体験談)

無汗で発熱性の悪性の病気の初期に効く漢方の妙薬

↓ご注文へ ↓ページ最終へ

この商品ページは、4ページあります。

ウチダ 麻黄湯 煎じ薬

 EBM

【麻黄湯の臨床効果に関する・エビデンス】…根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine)です。

1〈風邪症候群で鼻閉を主訴〉患者数:58

【対象】風邪症候群で鼻閉を主訴とする乳児58例、生後3ヶ月~6ヶ月、平均4ヶ月。

【方法】麻黄湯を哺乳30分前にほぼ6時間毎に服用させた。鼻閉、哺乳力、機嫌などから効果を評価した。

ポイント:著効(1日以内で改善)10例、有効(2日以内で改善)20例、やや有効(3~4日で改善)18例、無効6例、増悪4例であった。

参考文献:漢方医学,24:281-283,2000.

2〈インフルエンザ〉患者数:60

●対象:インフルエンザ患児60例、生後5ヶ月~13歳。

●方法:インフルエンザ抗原検査陰性あるいは陽性であっても1歳未満の場合を麻黄湯投与群とし、17例であった。

インフルエンザ抗原検査陽性で1歳以上の場合、無作為にオセルタミビル投与群18例、麻黄湯およびオセルタミビル投与群14例に分類した。治療後からの解熱時間を比較した。

ポイント:治療開始までの有熱期間に各群で有意差は認められなかった。

治療開始後解熱するまでの時間は、麻黄湯投与群および麻黄湯およびオセルタミビル投与群は、オセルタミビル投与群に比し有意に短かった。

参考文献:Phytomedicine,14:96-101,2007.

医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【麻黄湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈鼻づまり〉

治例図

10歳の少年。
ふだんから鼻炎がある。風邪をひくと鼻がつまって、口で呼吸しなければならない。頭痛、ときどきさむけ、脈は浮で力がある。せきは出ない
麻黄湯を与えると、10数分で鼻のつまりがとれ、風邪も3日の服薬でよくなった。
麻黄湯を風邪に用いるときは、脈が浮いて力があり、さむけと熱があって、頭痛がしたり、ふしぶしが痛んだり、鼻がつまったりするのを目標にする。

弁証論治 表寒実証  

現代病名:鼻づまり

2〈感冒〉

治例図

10歳、女児。
起床後に頭痛を訴え、着替えをさせたところ鼻出血があった。検温したところ、38.1℃である。顔面がわずかに紅潮し、咽頭に発赤を認める。喘鳴や咳嗽はない。
脈は浮、数、緊で著しく充実している。自然発汗はなく、皮膚は乾燥している。口渇はない。
麻黄湯エキスを1包投与し、就床させたが、頭痛がわずかに軽快しただけで約1時間経過。そこでさらに同湯エキスを1包十分なお湯で服用させた。服用後30分で全身に発汗がみられた。着替えさせて臥床させたところ、熟睡し、昼には空腹感を訴えて起き出てきた。熱は平熱となり、そのまま快癒した。

弁証論治 表寒実証  

現代病名:感冒

3〈麻黄湯と柴胡桂枝湯で完治〉

治例図

中学1年生のA子さん(13歳)は、学校でかぜをうつされたらしく、熱が39℃以上になり、しきりに全身の倦怠感を訴えています。食欲はなく、おかゆものどを通らず、水分補給だけをかろうじてしている状態でした。それでも、比較的体力があり、汗の出も少ないことから、実証と判断され、麻黄湯を服用することになりました。

2日ほどで熱は下がり、そのあと、柴胡桂枝湯に切り替えたところ、3日ほどの服用で、症状はすっかり治まったということです。

弁証論治 表寒実証  

現代病名:感冒

4〈麻黄湯で鼻かぜがたちまち完治〉

治例図

日ごろから丈夫な会社員のNさん(38歳・男性)ですが、ある日、鼻かぜにかかったようだと感じ、漢方の専門家を訪ねました。

ごく初期の鼻かぜで、関節痛と発熱があり、汗をかかないという症状から、麻黄湯の服用を勧められました。その場で1服飲んだところ、すぐに鼻の症状と関節痛が治まり、汗が出て熱も下がり、数時間もたたないうちに完治したのです。

麻黄湯はかぜの初期症状に有効な処方だと説明されたNさんは、それからはいつもこの薬を持ち歩くようにしています。

弁証論治 風寒(表寒)証  

現代病名:鼻風邪

5〈こじれたかぜによく効く漢方薬〉

治例図

K子さん(14歳)は、かぜにがかったといって中学校から早退してきました。どうやら、仲のよい友人にうつされたようです。

体温計で熱を計ると、39度2分もありました。発熱のためか、全身がだるいといいます。おもゆも口に入らず、水がやっと飲めるという状態です。

汗はなく、関節が痛み、発熱のため顔が赤くなっていたので、麻黄湯を服用させたところ、2日後に平熱に戻りました。

しかし、熱自体は元に戻っても、関節の痛みはまだ残り、食欲は出てきません。かぜがこじれていると考えられたので、薬を柴胡桂枝湯に切り替えたところ、2日たってすっかり治りました。

柴胡桂枝湯はこじれたかぜに効果を発揮します。

現代病名:かぜ

出典出典:「漢方LIFE」 発行所:DeAGOSTINI(2005) 担当医師アドバイス

6〈傷寒(急性熱性疾患)〉

治例図

私が13歳のとき(西暦1811年)病家から往診を頼まれた。

兄が不在なので父はお前が往くようにというので診察して帰った。父から病状を問われたので、病は傷寒で頭痛破るるが如く、悪寒発熱し、脈は浮数であると答えた。

尾台榕堂 父はではお前は何を与えたらよいと思うと訊ねられたので、麻黄湯にてはいかがですかと伺いを立てたところ、父は笑って、でかしたその通りといわれた。

そこで麻黄湯三貼を調合し、温服させて大いに汗を出させたところ苦痛は脱然として去った。余熱があったので小柴胡湯を与えてまもなく治った。

これは私の病を治した初めてのことである。 (尾台榕堂・方伎雑誌)

現代病名:熱性病

7〈夜尿症〉

治例図

麻黄湯を5歳ぐらいまでの子供の夜尿症に用いているが実によく効く。また、葛根湯を用いることもある。

麻黄のあるところがポイントであると思う。12歳の子に使ってよかった例もある。一番初めに用いたのは、夜尿症のある5歳の児が風邪をひいてきた。この児は風邪をひくと小便が近くなり、一時間おきぐらいに行くという。これに葛根湯を与えたところ、かぜが治ってしかも従来の夜尿症がピッタリ止まったという。これ以来、小児にもっとのみやすい麻黄湯にしてみたところ実によく効いた。ただし、これを用いる目標の一つに、患児が寝ぼけていくら起こしても起きないということがある。麻黄が夜尿症に効くのは麻黄中のエフェドリンにアドレナリンと同じ作用があるからだということもうなずかれる。また麻黄から覚醒剤が作られるところから、これをのむと寝ぼけるのが治って、小便がたまると眼がさめるのかもしれない。あまり虚証の子には注意を要する。

現代病名:夜尿症

8〈ワクチン接種済みの3歳の男児の場合〉

治例図

インフルエンザワクチン接種済みの3歳の男児です。

夜9時ごろに39度の発熱です。翌朝になっても熱は下がらず、食欲もなく不機嫌だったので、病院にやってきました。A型のインフルエンザと診断されました。タミフルと麻黄湯(1日2.5g)を処方したところ、翌朝から熱は37度台に下がり、機嫌もよくなりました。

2日後には平熱になり、元気に遊んでいました。

現代病名:A型インフルエンザ

ポイント:子供だと漢方薬を飲まないのではと躊躇(ちゅうちょ)されるお母さんもいます。コンデンスミルクやココア、アイスクリームなど甘いものに混ぜると、においが気にならなくなるようで、すんなり飲んでくれます。

9〈男児(12歳)の場合〉

治例図

幼児期から気管支喘息を発症している男児(12歳)。

風邪をひくといつも痰がからみ、咳が長引いて苦しんでいた。今回は39度の熱で受診してきた。A型インフルエンザだとわかり、タミフルと麻黄湯(1日5g)を5日間処方したところ、3日目には平熱になり、咳が長引くことはなく、すっきりと治った。

「今回の臨床試験とは別に、比較的症状の軽い子供にはタミフルを使わずに漢方薬だけを処方することもあります。漢方薬は、乳児にも安心して使えるからです」

現代病名:A型インフルエンザ

10〈生後10ヵ月の男児(体重9キロ)の場合〉

治例図

インフルエンザワクチン未接種の生後10ヵ月の男児(体重9キロ)。

夜間に38度の熱を出した。受診時の診断は、A型インフルエンザだった。

麻黄湯のみを1日1gずつ3日間処方したところ、翌朝には平熱に下がっていたという。

現代病名:A型インフルエンザ

10〈夜尿症〉

治例図

12歳、男児。長期にわたる夜尿(尿は白色)。舌苔薄白・脈弦。

●麻黄湯(麻黄:桂枝:杏仁:灸甘草=3:5:3:3)に六味地黄丸(牡丹皮を除く)を合わせる。

●麻黄湯の発散作用は、原方のままでは、主に上・外へと作用します。

●しかし麻黄湯を小剤(用量の少ない方剤)で使い、さらに六味地黄丸と合わせると、麻黄湯の作用は六味地黄丸によって下へと運ばれます。これが「用陰潜陽」(陰を利用して陽を下降させる)と呼ばれる手法です。

●その結果、麻黄湯の通陽化気作用は膀胱にも作用するようになります。

●またこの用薬方には、さらに「六味地黄丸の補陰作用を背景にして麻黄湯の通陽気化作用が発揮される」という意味もあります。陽気が存分に気化作用を発揮するには「みずみずしい舞台」が必要だということです。これが「用陽化陰」(陽によって陰は気化される)と呼ばれる手法です。

●六味地黄丸には本来、牡丹皮が含まれていますが、ここでは除かれています。

牡丹皮は涼血作用をもつ寒性薬なので、麻黄湯の通陽気化作用を妨害しないように除かれているものと思われます。

●また通陽化気作用が中心なので、麻黄よりも桂枝の用量を多くしてあります。

●この方剤は、大人の夜尿症にはあまり効果がありません。

現代病名:夜尿症

出典出典:「わかる・使える 漢方方剤学」小金井信宏=著

↑ページ先頭へ