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東洋 黄耆建中湯 エキス細粒の 医師の処方解説(漢方体験談)

慢性の病状や化膿症、病後治療の漢方の特効薬

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東洋 黄耆建中湯 エキス細粒

医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【黄耆建中湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈長引く乳腺炎を漢方で治櫨〉

治例図

出産後1ヵ月で乳腺炎になってしまったWさん(32歳)は、抗生物質を服用していましたが、治りきらなかったため、漢方クリニックを受診することにしました。
Wさんは虚弱で疲れやすく、食欲不振や寝汗があることから、黄耆建中湯が処方されました。
服用を始めて1週間ほどで、食欲が増してきて、寝汗が止まり、疲れにくくなりました。そこで、薬を托裏消毒散の煎じ薬に変えて服用を続けたところ、炎症は徐々に軽減し、2週間ほどで治まったということです。

現代病名:乳腺炎

2〈II度深達性のやけどがあとを残さず完治〉

治例図

料理が趣味のMさん(45歳・男性)は、調理後のてんぷら鍋を片づけようとして、熱した油を右足の甲の上にこぼしてしまいました。すぐに風呂場に行き、流水で30分ほど患部を冷やし続けましたが、足の甲の上皮が完全に欠落し、皮下脂肪組織が露出するというひどい状態でした。

漢方を扱う皮膚科の医師は、1度の深達性のやけどと診断。Mさんは、皮膚移植を勧められましたが、手術はしたくなかったので黄耆建中湯と伯州散を医師から処方してもらい、経過をみることにしたのです。また、毎日アクリノール水での薬浴を行うとともに、欝金と田七、甘草を加えた紫雲膏を塗布するようにとも指示されました。治療を続けて1週間ほどたつと、上皮が上がってきて、外見的にはI度程度にまで回復しました。

そこで、黄耆建中湯だけにしたところ、4週間後にはほとんどあとも残らないぐらいに治ったので、服用を中止したのです。数年たった現在では、どちらの足にやけどをしたのか自分でも分からなくなるほど、やけどのあとは残っていません。

現代病名:II度深達性やけど

3〈黄耆建中湯で多汗症が治った〉

治例図

夏はもちろん、冬でも大汗をかくのが悩みだった58歳のM子さん。漢方の専門医がM子さんに尋ねたところ、M子さんの職場では、冷暖房の冷温風は天井に取り付けてあるエアコンから出るようになっており、1年を通じて頭は温かいのに足元は冷える、という状況だといいます。

そして、M子さんはある夏からすごい汗をかくようになり、それが秋になっても収まらず、周囲から「遅い更年期障害では」といわれていたそうです。

冷えのぼせが強く、体格的には少々太めのM子さんには、体の冷えに注意する旨の指導とともに、黄耆建中湯が処方されました。そこで、医師の指導を守って生活に気を付けながら漢方薬を飲んだところ、2週間で汗はかかなくなりました。

さらにM子さんは、嬉しいことに疲れもたまらなくなったといいます。

これは、気・血・水のバランスが取れてきた証拠でしょう。結局1年ほど飲み続けて、M子さんは見違えるほど元気になりました。

現代病名:多汗症

4〈蕁麻疹と湿疹に黄耆建中湯合人参湯〉

治例図

45歳、主婦。

【現病歴】湿疹は前胸部からあごの下、両肩にかけて、ぼつぼつと小丘疹ができていてかゆい。約6年前からのもので、皮膚科ではにきびの一種といわれているという。これはあきらめかけており、かゆみの強い時は軟膏をすりこんでいる。

それよりも1か月前から蕁麻疹ができてきた。夜になるととくに大腿後面の皮膚が地図状に腫れてくる。抗ヒスタミン剤を飲むとおさまる。ほかに最近月経が不順で肩がこり、のぼせやすく、動悸、発汗があり、産婦人科でホルモンのアンバランスといわれた。胃が悪く、食後みぞおちと右肩背部とが痛む。食後歩くと腹が痛む。大便1日3行、軟便で下痢しやすい。朝は起きられないし、昼間も眠し㌔非常に疲れやすく、時々貧血を起こす。なにしろ汗をかきやすい。足が冷える。

【現症】身長152cm、体重41㎏。顔色悪く、脈棚帖は乾燥して難なく、しみるという。夜間排尿はない。右下腹腸骨上窩に軽度の圧痛があるほか、腹診では著変はない。

【経過】柴胡桂枝湯加菌陳4.0を投与。

ところが2月の再診時に、蕁麻疹がひどくなったので抗ヒスタミン剤を毎晩飲んでいるという。これは薬方の副作用ではなく、要するに効いていないのである。ただ月経があったといい、これ以後毎月規則正しくきている。それ以外の症状は変化がない。

そこで考えた。腹状はそれほど虚していないようであるが、ひどく疲れるというから、明らかに虚労であり、まずこれから治してみようと、黄耆建中湯を与える。

3月、なお下腹満痛、下痢、舌の乾きを訴える。血圧98-52。そこで前方に人参湯を合方する。

4月下旬、大変具合がよい。蕁麻疹が出なくなったほか、湿疹も消失。「湿疹は長年かかると皮膚科でいわれていたのに、すっかりよくなってうれしい」と本人はいう。下腹痛、食後腹痛もだいぶよいが、まだ汗をかきやすい。前方続服中。

現代病名:蕁麻疹と湿疹

ポイント:大塚敬節は蕁麻疹に対し、とらえどころがない時に柴胡桂枝湯を処方して様子を見ることが多かった。これで有効のことがよくあった。菌陳を加えたのは私の工夫である。

黄耆建中湯は、『金匱要略』血痺虚労病篇に「虚労裏急、諸の不足は、黄耆建中湯之を主る」とあり、小建中湯証でさらに虚状のものを目標とし、寝汗のひどいもの、慢性中耳炎、痔痩、瘤、下腿潰瘍、潔癖などに用いられるが、本症のような場合に用いられたことはあまりないようである。

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