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連珠飲(ツムラ四物湯+ツムラ苓桂朮甘湯)の 医師の処方解説(漢方体験談)

眩暈(めまい)、貧血、更年期障害によるむくみ・腰痛・のぼせに

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連珠飲(ツムラ四物湯+ツムラ苓桂朮甘湯)
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医師・薬剤師  医師・薬剤師の処方箋解説

ここに記述した文書は、すべて医師または薬剤師の漢方薬処方箋解説です。医薬品購入使用者の口コミ情報ではありません。

【連珠飲(四物湯+苓桂朮甘湯)の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈痔出血による貧血

治例図

32歳の婦人。

痔出血が長くつづいて、ひどく貧血し、耳鳴・息切れを訴えるものに、連珠飲を用いた。

一カ月ほど経つと貧血も軽快し、耳鳴りもなくなった。

弁証論治 痰飲(狭義)  

現代病名:貧血・痔出血

2〈十二指腸虫症の貧血

治例図

貧血・めまい・動悸・浮腫のあるものに、連珠飲を用いました。

貧血が速やかに回復し、諸訴えが消散しました。

弁証論治 血虚  

現代病名:貧血

3〈心臓不全と貧血

治例図

64歳の男子。
初診は昭和38年1月。主訴は約半年前から心下部が張って苦しく、胃の調子が悪く、食欲がほとんどなくなった。顔色が蒼白から黄疸様になって、大便の色が黒味を帯びてきた。
貧血が目立ってきて、心動悸と呼吸困難がひどくなり、背中が痛み、ときどき心下部や臍(へそ)のまわりにも惨痛を訴えることがある。顔面に浮腫をきたすこともあり、大便は三日に一行ぐらいであった。内科では心臓と肝臓と胃腸が悪いといわれ、いろいろ治療をうけたが少しもよくならず、動悸と息切れに悩まされた。栄養はそれほど衰えていないが、顔色が黄疸色で、脈は弦で跳ね返るように強い。舌苔はない。心音不純で冗進している。腹部は一様に緊張し、圧迫に対して過敏である。べつに肝臓が腫れているわけではないが、心下部が張っていて圧すと苦しい。血圧は200~100であった。
連珠飲を与えたが、これを20日分のんだところ、心下部の痛みも、背中の痛みも、動悸も息切れもほとんど感じなくなり、食欲がとても出て、40日後には黄疸色がすっかりとれて大変楽になった。血圧も170~90となり、顔の腫れるのもとれて身体が軽く動くようになったとよろこばれ、しばらく服薬を続けた。

現代病名:心臓不全・貧血

4〈めまい、立ちくらみ〉

治例図

女性37歳。身長150㎝。体重48㎏。2児の母。
帝王切開にて出産。主訴は眩量(めまい)、立ちくらみですが、その他に頭痛、耳なり、左右の肩こり、動悸、背痛、乾嘔、時々の頻尿、太ももだけの冷や汗、足の冷え等がある。当然のように生理不順と精神不安が見受けられ、さながら病気の問屋の趣がある。
このように訴えが多く、ひとつの薬方証に収まらないときはどうするかというと、「傷寒論」にのっただとって、薬方の持つ「証」に糾して、症状を整理しなおすことになります。眩量、立ちくらみ、動悸、耳なり、頭痛、下肢の冷え等一連の症状と過去の帝王切開を考慮して、連珠飲(苓桂朮甘湯合四物湯)を選びます。ところでそれと少しく異なる症状の両肩こり、背痛、乾嘔、頻尿は何の証なのか?特に太ももだけの冷や汗は何を意味するのでしょうか?
私はこれを身体の一部分の汗、即ち発汗の状態が「水気の欠乏によるもの」と断じて、柴胡桂枝乾姜湯と想定しました。もともと柴胡桂枝乾姜湯は小陽部位の薬方で、のぼせがあって全身の水気が少ないため、首から上にだけ発汗することが目標なのですが、この場合のような例外もあるのではないかと考えたわけです。
これら2方を交互に服用することによって、約1ヶ月後には頭痛と眩量等が消失し、両肩こりも気にならなくなった。時々休みながらも服用し続けた1年後の現在、生理不順を最後に全ての症状は消え、人が変わったように快活になった。
振り返ってみると、これは太陰に近い連珠飲証と、少陽虚証の柴胡桂枝乾姜湯証との併存がなせる業でした。本人の様々な訴えと私の診た客観的な観察とを混迷させたままではだめでしたので、頭に浮かべた薬方証を基礎に、分離、整理しなおして、2種の薬方を選び出す方法をとりました。

現代病名:めまい、立ちくらみ

5〈子どもの頃から貧血の20歳女性〉

治例図

20歳、女性。
小学生時代から貧血傾向がある。約1年前に貧血でめまい(目の前が暗くなる)。以後1ヵ月に1~2回の頻度で症状発現。
身長159cm体重50㎏。血圧125/70、脈拍90。大便1日1回、やや硬い。小便1日3回。頭重・めまい・眩しい・首筋が凝る・唇が乾く・息切れがある。
苓桂朮甘湯2包+四物湯2包を30日分投与。約20日で改善し、喜びの連絡がありました。
他に六君子湯・当帰芍薬散・四物湯等がありますがファーストチョイスとしては(患者の証が合っていなければだめですが)連珠飲が比較的効果があるように思われます。

現代病名:貧血

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